(あらすじ)サウルに殺されると感じたダビデは新月祭に欠席をするとヨナタンに告げます。ヨナタンはかつてサウルを説得し「ダビデを殺さない」と約束していたのでダビデを説得しますが(欠席するのは重大なことだから。)ダビデがあまりに必死なので、サウルの真意を今一度探ることを約束し、その間ダビデには身を隠して自分の連絡を待つようにと打ち合わせます。その連絡とは弓矢を使った秘密の合図でした。そしていよいよ新月祭、ダビデの欠席に怒りが燃えてサウルは激昂します。

朝になると、ヨナタンは小さい子供を連れて、ダビデと打ち合わせた時刻に野原に出ていった。そして子供に言った。私が射る矢を見つけておいで。」子供が走っていくとヨナタンはその子の向こうに矢を放った。
子供がヨナタンの放った矢の所まで行くと、ヨナタンは子供の後ろから叫んで言った。「矢は、おまえより、もっと向こうではないのか。」
ヨナタンは子供の後ろからまた叫んだ。「早く。急げ。止まってはいけない。」その子供は矢を拾って主人ヨナタンのところに来た。
子供は何も知らず、ヨナタンとダビデだけに、その意味が分かっていた。

ヨナタンは自分の弓矢を子供に渡し、「さあ、これを町に持って行っておくれ。」と言った。
子供が行ってしまうと、ダビデは南側の方から出てきて、地にひれ伏し、三度礼をした。二人は口づけして、抱き合って泣き、ダビデはいっそう激しく泣いた。

ヨナタンはダビデに言った。「では安心して行きなさい。私たちふたりは、『主が、私とあなた、また、私の子孫とあなたの子孫との間の永遠の証人です。』と言って、主の御名によって誓ったのです。」こうしてダビデは立ち去った。ヨナタンは町へ帰っていった。(旧約聖書・第一サムエル記20章30〜42節)


ダビデとヨナタンの友情
 
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