するとその夜、神様が夢のうちに現われ、「何なりと望むものを求めよ。
与えてやろう」とお語りになりました。
ソロモンはこう答えたのです。 「神様は父に、とてもよくしてくださいました。 そ
れと申しますのも、父が正直で、いつも神様に忠誠を尽くし、心からご命令にお従いした
からです。 神様はまた、王位を継ぐ子を授けるという祝福を、父にお与えになりました。
ああ、神様。 神様は、父に代わって、この私を王としてくださいました。 ところが、
私は右も左もわきまえない、小さな子供と同じです。 しかも、神様が自らお選びにな
った国民の指導者として立てられました。 この国民はあまりにも多くて、とても数えき
れません。 どうか、国民を正しく治め、善悪をはっきり見分けるために、すぐれた判
断力をお与えください。 いったいだれが、自分の力でこれほどの重い責任を果たせるで
しょう。」
ソロモンが知恵を願い求めたので、神様はことのほかお喜びになりました。
そこで、こうお答えになったのです。 「おまえは国民を正しく治める知恵を求めて、長
生きすることや財産、または敵に勝つことを願わなかった。 だから、望んだものを
与えよう。 それも、ずば抜けた知恵を。 また、望まなかった財産と名誉も授けよ
う。 おまえが生きている間、財産と名声でおまえにかなう者は、だれもいないだろう。
それだけでなく、おまえの父ダビデのように、わたしの教えを守り、わたしに従うな
ら、うんと長生きさせる。」
賢王ソロモン